#30.スポークを張替える。KH400編

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スポーク張替えは容易ではない。プロに任せるべき。


旧車ならではの味わいの一つスポークホイール。 しかし、サビや曲がりなどがあるとあまりかっこいいものではありません。スポークだけでもきれいにすると、足回り全体の外観はかなり良くなりますよ。本当はリムも一緒に交換するのがベストですが、今回はスポークの張替えのみをご紹介します。
しかし、記事を読んでいただけるとわかると思いますが、専用の器具などが必要なのはもちろん、かなり「経験」が大事な作業になるので、プロに依頼したほうが無難だと思います。今回はスポーク交換の大変さを知って頂ければ幸いです。

スポーク 1本分セット

ノーマル/ワイド対応
◎適合車種:・KH250/400

■交換の目安
・サビが酷い
・折れている
・曲がっている

前回「#29.リアホイールを外す」からの続きとなります。アクスルシャフト左側から、前回緩めておいたリアアクスルナットと、

チェーンアジャスターを外す。

反対側の右側から「リアブレーキシューパネル」「カラー」「チェーンアジャスター」をアクスルシャフトごと外します。この時、左側のスプロケットハブが落下しないよう空いている手でしっかり抑えておいて下さい。

次に右側のスプロケットハブを丸ごと外しますが、

その際、内側と外側のカラーを無くさないように、きちんと保管しておきましょう。

リアハブダンパーを外します。かなり劣化しています。今後リアハブダンパーの記事も掲載予定です。

画像の状態になれば、次はタイヤを外す作業です。

エアバルブキャップ、

ナット、

エアバルブを取り外します。

今回タイヤは再利用するので、タイヤを外す前にバルブの位置にマジックなどで印をしておきます。新品のタイヤであれば、通常軽点部分に黄色い丸印があり、そことバルブの位置を合わせタイヤを装着します。しかし、使用していると徐々に消えてしまうので、タイヤを再利用する場合は外す前に必ず今回のように印をつけておきましょう。

次に専用工具を使いホイールからタイヤを外していきます。リムと中のチューブを傷つけないよう要注意!!

引っ張り出す際もチューブの扱いは慎重に。

タイヤを外すのは「コツ」です。

無事に取り外し終了。

バランサー(振れ取り台)にホイールをセットして、いよいよスポークの張替えに突入!!
あれ?ゴリラ店長髪切った?

作業に入る前にスポークの状態を備忘録として撮影しておきましょう。スポークには「アウター」と「インナー」の2種類があります。
左右この2種類のスポークが、どのような状態で配置してあるかが分かるように撮影しておくと、組む時に役に立ちます。

始めにスポークのニップルを外す作業です。これは一度に一個ずつ外すのではなく、全てのニップルを少しずつ順番に緩めて行きます。一気に外すとリムの締め付けられている箇所と、緩んでいる箇所とでテンションの大きな差が出来て、リムの歪みの原因になります。

時間が掛かっても必ず全部のニップルが均等に緩むように、少しずつバランサーを廻しながらテンションが無くなるまで順繰りに作業して下さい。

全てのニップルからテンションが無くなるまで緩めたら、一旦バランサーから外し、作業台などの上に横に寝かせてニップルを外していきます。

全てのニップルを外し終えたらリムが取り外せます。ニップルが錆などで固着し、どうしても外せないときは、サンダーなどでカットしても構いません。

リアホイールハブからスポークを抜き取ります。

分解終了。リアホイールハブもだいぶ汚れていますね。

リアホイールハブは単体になる事が滅多にないので、この機会にきれいに磨きましょう。

チューブの傷みの原因である、リム内側の錆も出来るだけ取り除きます。

いよいと組み付けです。まずはスポークのネジ部にラスペネ(浸透潤滑剤)を吹き付けて、ニップルを組込み易くする準備をします。

ニップル側にもラスベネ"ブッシュー!"

組付け前にスポークの「アウター」と「インナー」の確認。画像の左側がハブの外側に取り付ける「アウター」。右側が内側に付ける「インナー」。頭部分の角度が異なります。

まずは「アウター」を穴一個飛ばしで通して行きます。スポークをホイールハブの内側から入れて画像のように外側に来るように。

アウターが終わったら続いてインナー。ハブ外側から通しスポークの部分が内側に来るように。次に反対側のスポークを通す時、備忘録として撮影した画像をみて、左右スポークの位置関係を確認しながら作業する。全て通し終わると画像のような状態になります。

全てのスポークをハブに通し終えたら作業台の上で、ある程度スポークの向きを揃えておきます。この時も備忘録として撮影した画像を参考にするとやりやすいです。

次にリムとスポークを繋ぐ作業になります。リムの向きは、リムにある刻印が跨って左側に来るように設置をして作業を進めます。

仮締めをします。外したときと逆の手順になるので、ここではスポークにテンションがかからない程度に、ニップルを手で回して締めます。

仮締めが終了したら、

再度バランサーに設置。

均一のテンションがかかるように、手で順繰りに締めていきます。

組み付ける時は、リムの上下・左右のブレを確認しながらニップルを締めていきます。リムは少なからず歪んでいます。その歪みをスポークの締め具合で調整し、なるべく真円に近づけて行くのです。これは経験が無いと難しい作業です。

張替え終了!!調整後にホイールが回転している画像です。歪みを極力調整したので、画像にもブレがほとんどありません。いかがでしたか?スポークを交換する為には相当な「手間」と「経験」と「労力」が必要だと言うことがお分かり頂けたかと思います。リアホイールは、走るにも止まるにも肝心要の部分です。そのリアホイールのさらに要のスポークは出来るだけプロショップで交換しましょう。これがゴリラ店長からのアドバイスです。