#52.TIG溶接機アリ〼3。本番編。

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TIG溶接始めました。第3回(全3回)


さぁ!いざ本番です。
常連のお客様に現在の溶接レベルを説明した上で、練習に付き合って頂けることになりました。本当にありがとうございます!。修理内容はマフラーの排気漏れ。エキゾーストパイプの外径が変わる部分からの排気漏れの修理です。もちろん、今回の修理には溶接の師匠に付き添ってもらっての作業です。ご安心ください。

ショート管のEXパイプ部は、画像のように径の違う2つのパイプがパイプ内側で溶接されています。この溶接部にクラック(ヒビ)が入ると、径の違うパイプとの隙間から排気漏れが生じます。

まずは異なる径のパイプを分解。分解できる最小限で古い溶接を削り落とし、画像のように分解します。

堆積しているカーボン・腐食・塗装を取り除きます。

切り離した部分をきれいに仕上げすぎてしまうと、溶接位置がわからなくなってしまうので、切断面はそのままにしておきます。

外径の大きいパイプの内側も古い溶接を残したまま、表面だけキレイに仕上げます。

軽くあてがって位置を確認すると、問題のあった箇所のパイプは画像のように他の3本と若干位置がずれていました。このぐらいは許容範囲なのでしょうか?

いよいよ溶接作業にはいります。まずは点付け。師匠に電圧を調整してもらい、トーチの向き・位置を細かく指示してもらいながらの作業です。

全部で3箇所、点付けで2つのパイプを固定。簡単そうに見えますが、なかなか一発では決まらない「点付け」です。電圧・トーチの向き・トーチの位置など、考えなければならないことが沢山あります。

いよいよ溶接。
熱を帯びると金属は変形するので、ちゃっちゃちゃ溶接したいところです。しかし、パイプの内側ということもあり、なかなか思うようにトーチを動かすこともできず、溶棒を送ることもできず、

結局トーチの送りが遅すぎて穴が空いてしまいました。穴が空いたならば、もちろん溶接で穴を埋めます。師匠は楽しそうに眺めてます。

どうにかこうにか、師匠からOKをもらいました。こんな感じです。

仕事として初めての溶接。
パイプの内側ということで、初めてにしては難易度が高かったと思います。めげずにこれからも精進します。お付き合い頂いたお客様、本当にありがとうございました。