#07.点火を操る。KH250編

電気は見えない?!んにゃ、見える!!


旧車ならではのポイント点火。すべてをお店任せにしていませんか?基本的な仕組みとやり方を憶えてしまえば、それ程ハードルの高い作業ではありません。今回は火花が飛ぶ仕組みはさておき、ポイントの「調整方法」と「調整のコツ」を解説します。それと、よくある故障の原因もご紹介しましょう。

ポイント点火の各部名称(黄色で囲ってある部位です)

ポイント=電流のON/OFFをしています。全部で3つあります。

ポイント接点=エンジンが回転している時に、くっついたり・離れたりする部位。

ポイントヒール=ポイントカムと接している部分。

ポイントカム=歪な円形をしています。ポイントヒールを押しあげて、ポイント接点を開閉します。

フェルト=ポイントの表面を潤滑させています。

コンデンサー=蓄電池。接点が開く時、接点で火花が飛ぶのを緩和する役目。

ポイントギャップの調整

ポイントカバーを外します。

ポイントカバーが外れたところ。

レンチでクランクを回してみると(時計と逆回り)、ポイントが動くのが確認できます。

まず始めにポイントキャップの調整をします。シックネスゲージを用意しましょう。よく都市伝説的に言われている、名刺やハガキ1枚分の厚さというのは信じないでちゃんと測りましょう。

ポイントギャップは0.3〜0.4mmの間で調整します。

測定位置はクランクを回転させ接点が一番開いたところです。

ポイントをとめているビスを軽く緩めます。

画像のようにマイナスドライバーを使って、接点の隙間を調整します。

0.3mmのシックネスゲージが簡単に入り、0.4mmが入りにくい位置でビス固定します。

以上の調整作業をポイント3つ全てで行います。

点火タイミングの調整

点火時期の調整です。ポイント接点が開く位置をポイントギャップを変更せずに調整します。

ポイントが取り付けてあるプレートにはそれぞれ刻印があります。
Cは向かって上のポイント。センターシリンダー。

Lは向かって左下のポイント。レフトシリンダー。

Rは向かって右下のポイント。ライトシリンダー。

今回はセンターシリンダーの場合についての説明をします。最初はまずはエンジンを始動せず目視で調整します。

接点から離れる瞬間に覗き穴から見えるCFのケガキ線とクランクのケースのケガキ線があっているかを確認します。大体あっていればひとまず大丈夫です。

ずれている場合の調整方法です。画像の2本のネジを緩めポイントが取り付けてあるプレートをずらして調整します。

プレートをずらす場合はマイナスドライバーで画像のように調整します。
この作業を3つのシリンダー全てに行ってください。やっとエンジン始動です。

タイミングライトを用意します。

エンジンを始動してプラグコードにタイミングライトをつなぎます。

タイミングライトのスイッチを入れながら、覗き窓から見るとケガキ線のずれが確認できます。

タイミングライトで照らしながら、プレートの位置を再度調整し2本のケガキ線がピッタリ合うようにします。この調整も3気筒分全て行って下さい。以上で調整は終了です。

フェルトのメンテナンス

フェルトはポイントカムの表面に給油しています。油分がなくなるとポイントヒールの摩耗が早くなりますので、定期的にメンテナンスして下さい。

まずは洗浄します。黒く固くなったフェルトも丁寧に洗浄をすれば十分再利用できます。

洗い終わった後、給油します。市販の潤滑剤で十分です。ちなみに当店ではワコーズのシリコーンルーブリカントを使っています。

取り付けして終了です。

よくあるトラブルと対処法

◎コンデンサーの不良。
コンデンサーが不良になっても見た目ではほぼわかりません。エンジンを始動させた時ポイント接点から、バチバチと火花が飛んでいるような場合は、コンデンサーの不良が考えられます。この場合はコンデンサーの交換をお勧めします。
 
◎ポイント接点の摩耗
ポイント接点が荒れて点火時期が狂う場合があります。その場合はヤスリ等で接点の表面を平らに仕上げてく下さい。

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