以外に簡単な腰上分解、だが侮る事無かれ。
腰上はヘッドナット12個を外せば分解できます。簡単なように感じるかと思われますが、意外とコツが必要な作業でもあります。細かな部分もご紹介しますので、ぜひ参考にして下さい。
■分解前準備
まずはマフラーを外して車体を正立させます。今回はタンクを外さずに作業していますが、慣れていない方は必ず外してから作業を始めて下さい。
キャブレターを外す。
ポイントカバーを外し、クランクシャフトをレンチで廻せるようにしておく。
■ヘッド・シリンダーの取り外し
プラグを外す。
シリンダーとヘッドを留めているヘッドナットを対角に緩め外す。
ヘッドを外す。
3気筒全て外した状態。
外したキャブレター及びヘッド。焼き付いたり、ピストンに穴が空いたエンジンなどは、燃焼室の内側表面が荒れている場合があります。
クランクケースからシリンダーを外す。ゴム製ハンマー等でシリンダーを叩く場合はフィンに対して水平に叩きます。フィンは非常に割れやすいので気を使う部分です。
シリンダーをクランクケースから外す。ピストンが抜き出てきます。
シリンダーを3気筒外した状態。
■ピストンの取り外し
ピストンピンクリップを外す。
ピストンピンをピストン・コンロッドから抜く。
抜きにくい場合はピストンピンプーラーを使う。
コンロッドからニードルベアリングを外す。
すべてのコンロッドからピストンを外した状態。
※ピストンを外す際のポイント。
ピストンを再利用する場合は、分解前のピストンとシリンダーの組み合わせを間違えてはいけません。その為、分解の段階で「左側」「センター」「右側」が分かるようにピストンを区別しておいて下さい。
■分解完了
取り外した腰上部品。
今回はKH250のエンジンで作業しました(350SSも同型エンジン)。KH400・400SSの場合もヘッドナットの形状と、シリンダースタッドボルトの長さが異なるだけで、作業工程は同じです。
次回はシリンダーとピストンの計測です。お楽しみに!
主な工程