パワーを余さずリアホイールに伝える「要」。
エンジンで発生したパワーは、フロントスプロケットからチェーンを介して、リアスプロケットに伝わります。そのパワーが後輪を回転させバイクは進んで行くのです。つまりバイクの駆動においてリアスプロケットは「要」のパーツと言えます。
始動時や加速時に掛かる負荷は相当強烈です。それを長年受け止めてきたリアスプロケットは当然摩耗していきます。それを放置しておくとチェーンにも悪影響を与え、走行にも支障をきたします。リアスプロケットは目視で劣化が確認できるパーツなので、ぜひチェックしてみて下さい。
リアスプロケット

前回#30.スポークを張替える。でスプロケットハブを外しましたので、その続きからです。画像では作業しやすくする為、一旦リアホイールに戻してあります。
まずリアスプロケットナットを固定しているリアスプロケットロックワッシャーの爪(4箇所)を寝かせます。

リアスプロケットナットを外し、

リアスプロケットロックワッシャーを外します。交換の際リアスプロケットロックワッシャーの爪の強度は落ちてしまいますので、必ず新品に替えましょう。

スプロケットを外します。

せっかくなのでリアスプロケットハブを洗浄します。ハブベアリング外側のカラーを無くさないように注意。

リアホイールベアリングに洗浄液がかからないように汚れを落としていきます。きれいになると気持ちも良いです。

新品と長年使用してきたスプロケットを比べてみましょう。

歯の山が雲泥の差。長年チェーンからのパワーを受け止めてきた歯は、摩耗して均一ではなくなっています。
俗に言う「手裏剣スプロケット」です。

では、組み込みを始めます。まずは、どこのご家庭にでもあるスレッドコンパウンドをご用意下さ〜い。たまたま無い場合は当店にてご購入お願いしま〜す。

リアスプロケットを止めるボルトのネジ部分にスレッドコンパウンドを塗っておきます。全4本。

リアスプロケットとハブを合わせたら、

裏側から先程のボルトを差し込みます。4本共刺し終えたら、

表側に出ているボルトにリアスプロケットロックワッシャーをセットします。

次にナットをはめていきますが、ここでは強く締めずに指で回る範囲で抑えておきます。

リアホイールにハブダンパーを設置した後、

ボルトを締める作業をしやすくする為、ホイールの上にセットして、

トルクレンチを使いナットを本締めします。リアスプロケットを留めているのボルトは緩くても、強すぎてもトラブルのもとになるので、トルクレンチなどを使い正確なトルクで、対角に締めましょう。

最後にボルトを固定するリアスプロケットロックワッシャーの爪を立てたら完了です。

見違える美しさ!もちろん安全性が一番大事ですが、きれいなパーツを組み込むと気持ちいいです。
ゴリラ店長曰く「やはり旧車にはスチールのプレートが似合う」だそうです。