久しぶりの記事のアップです。
今回は兼ねてよりご紹介したかった「クラッチハウジングのリビルド」です。
ピストンの上下運動はクランクシャフトにより回転運動に変換され、クランクシャフトのプライマリーギアから変速ギア(ミッション)に伝えられます。そのプライマリーギアとミッションの間で回転運動の伝達を切ったり繋いだりしているのがクラッチです。
そしてクラッチハウジング内にはその強い回転力を受けるダンパーゴムが組み込まれていて、回転力をスムーズに伝える働きをしています。 このダンパーゴム、さらに固定しているリベットが劣化すると動画のようにハウジング本体とリングギアにガタが発生してしまいます。
このガタにより出る症状としてはクラッチレバーを握っているとき(クラッチを切っているとき)とクラッチレバーを離しているとき(クラッチが繋がっているとき)のクラッチカバー付近から出る音が極端に違います。
今回はそのクラッチハウジングのダンパーゴム交換のご紹介です。
注意:作業は必ず専門店にて依頼して行って下さい。
当店にてクラッチハウジングリビルドご希望の場合まずはお電話下さい。
車輛ごと、もしくはクラッチハウジングを単品にして頂き持ち込んで頂くようになります。
また、クラッチハウジング単品で持ち込む場合、記事に掲載しているようなクラッチハウジングの分解は行わず持ち込んで下さい。
さらに、クラッチハウジングの取外しには専用工具等を必要とします。必ず知識のある専門店にて作業をご依頼ください。
◎H1クラッチハウジングリビルト 工賃 3万円(税別)
◎H2クラッチハウジングリビルト 工賃 3万5千円(税別)
まずは車体からクラッチハウジングを外します。
外し方の詳細は「月刊ホット&クール#04.腰下をバラす。KH250編」を参考に。
※ちなみに今回写っている車両はH1Fですが、クラッチハウジングはH2用です。取材日のタイミングが合わず、一度に撮影できなかったので合わせ技で記事にしました。あしからず。
外したクラッチハウジングです。
リベットを外します。リベットはリングギア側から入っていますのでリングギア側のリベットの頭の中心にポンチを打ちます。
リベットの頭を取り除きます。リベットの中心に穴を開けます。3㎜位の穴から6㎜に広げます。リベットのカシメ自体も緩んでいますのでドリルの回転と供回りする場合もあります。
リベットの頭が取れるほどの穴の深さまで穴を開けます。
リベットの頭をこじり取って、、、
ピンポンチでリベットを打ち抜きます。
プレートを外すと、、、
内部に組み込まれていますダンパーゴム、及びカラーが目視できるようになります。
プレートを外した状態で軽く動かしてみますと、ダンパーゴムがヘタってリングギアとの間に大きなすき間が確認できます。
リングギアを外すとこんな感です。
ダンパーゴム内側のカラーもハウジングと一体ではなく、リベットで固定されているだけです。そもそも起こりうるガタだと思います。
リングギア内側のニードルベアリングも交換です。
このベアリングは同サイズが入手不可能なので、ニードルベアリング2個使用して高さを合わせ交換します。
クラッチハウジングを構成しているすべての部品です。基本的にH1(500)も同じようなつくりになっています。
使われるダンパーゴムとカラー及びリベットです。
完成するとこんな感じになります。
紹介した作業及び組付けは内燃機屋さんでの作業となります。完成後はもちろん分解前と同じような感じになりますがリベット等は強化されていますのでガタの問題以外に耐久性も上がっています。H1・H2には非常に多い症状になります。クラッチ交換等のタイミングで一度は確認しておきたい部分ですよね。