エンジンからの回転は「クランクシャフト」→「クラッチ」→「ドライブシャフト」→「アウトプットシャフト」と伝わります。まずはミッションの入り口、ドライブシャフトの分解です。

◎ブッシュの取外し
内側のニードルベアリングのアウターレースとDシャフトの位置決めの役目をしています。

ニードルベアリングの取外し。

2速ギア上のサークリップを外します。

◎2速のギアを外す。
2速ギアはDシャフトと噛み合っていて同回転しています。

スペーサー(厚さ1,00mm)を外す

スペーサー(厚さ1,00mm)を外す。

サークリップを外します。

サークリップを外します。

スペーサー(厚さ1,00mm)を外す。

画像のOシャフトの左端にはドライブスプロケットが取り付けられ、エンジンからの回転パワーがここで初めてエンジン外部へと伝わっていきます。

注意点は基本的にDシャフト分解時と同じです。心に余裕を持って分解していきましょう。

サークリップを外す。

ニードルベアリングを外す。

スラストワッシャー（銅）取外し。

◎１速ギアの取外し。
１速ギアはシャフトに対してフリーで組み込まれています。

画像の小さな玉が４速ギア内に入っているスチールボールです。取はずれるのと同時に落ちて来ますので無くさないように注意。

サークリップを外す。

◎3速ギアの取外し。
3速ギアはシャフトに対してフリーで組み込まれています。

スペーサー(厚さ1,00mm)を外す。

5速ギアを外す
5速ギアはOシャフトと噛み合っていて同回転しています。

サークリップを外す。

◎２速ギアを外します
２速ギアはOシャフトに対してフリーで組み込まれています。

スペーサー(厚さ0,5mm)を外す。

ドライブスプロケット裏のカラーを外します。錆やごみでぬきにくくなっている場合が多いのでその場合は油圧プレス等を利用します。

ドライブスプロケット裏のカラーを抜き取るとOリングがあります。このOリングの入れ忘れや不良の場合この部分からのオイルが漏れます。

油圧プレスを使用して、溝無ミッションベアリングを取外します。

同様に溝付きミッションベアリングを取外します。

クラッチカバー内のストッパーを外す。

プレートの取外し。
シフトドラムを回転させ、ビスが緩められる位置にしてプレートを固定しているビスを外す。

シフトロッドの取外し。

シフトロッドを抜き取る前にシフトロッドに組み込まれているEリングを外す。

ほとんどの場合、シフトロッドにあるEリングの取付溝に出来ている「バリ」のせいで簡単には抜けないので、画像のように800番ほどの耐水ペーパー等でそのバリを丁寧に落としてから抜いて下さい。決して無理やり叩き出したりしないように。

バリさえ落とせば簡単に抜けます。

次にシフトドラムの取外し。
まず4・5速用シフトフォークのシフトフォークガイドピンを固定している割りピンを抜き取ります。

シフトフォークガイドピンを外す。

画像の指す部分はニュートラルランプスイッチとの接点です。念のため緩んでいないかチェック。

洗浄作業。
洗浄と同時にシフトドラムの溝に不自然な欠けが無いか、シフトフォークの状態をチェック。

今回の350SSミッションには厚さが1.00㎜と0.5㎜のスペーサーが使用されています。

必ず現物を確認をしてどこにどの厚さのスペーサーが組み込まれていたのか、パーツリストと照らし合わせて誤組みされていなかったかを確認したい部分です。

サークリップは当時の物と形が変更になっています。

画像のように開き口を広げ歪ませると...。 

取外しの時と同じように、開き口の反対側をペンチでしっかり咥え、開き口を広げてから組み込みましょう。

ミッションベアリングの挿入は油圧プレス機で丁寧に。決してプラハン等で叩き入れない!!

外側はオイルやグリスと泥のこびりつき、内側は古いガスケットや固まった液体ガスケットの除去をメインに洗浄。

洗浄油で洗います。専用の洗浄油が無い場合は灯油で十分です。

狭い部分は細いブラシのリューター等を使い徹底的に洗浄。